前回の記事でIBL用のHDRIを作成する方法を解説しましたが、その時に触れたブラケット撮影の枚数について確認しましたので書いていきます。なお、前回の記事はこちらです。
撮影枚数ごとの比較
検証したのは、12月の東京で朝8時過ぎに撮影した素材です。この時は雲が無く、コートが必要な気温でした。次の画像は、撮影した素材をHDR化し編集画面で見ているものを並べています。上が5枚2EV刻みで、下が7枚0.6EV刻みです。
分かりやすくするために表示上の露出を-4にしていますが、5枚撮影の方は太陽光のグラデーションに連続性が無く、ヒストグラムの形からもそれが分かります。ヒストグラムの表示は最大3に設定していますが、7枚撮影に比べてレンジが広いです。右端を見ると、青のグラフが滑らかに落ちてないので色が飛んでいるのだと思います。
今回は掲載していませんが、他の素材で3枚4EV刻みと5枚2EV刻みを比較した際はもっと唐突感のある画像になりましたので、少なくとも太陽光を扱う場合は、撮影枚数を増やしてHDR化する際の精度を上げる必要がありそうです。
品質を重視するなら撮影枚数を増やすべき
Insta360 ONE Rで設定可能なステップは3枚4EV刻み、5枚2EV刻み、7枚1.3EV刻み、9枚1EV刻みが最大でしたが、やはり4EVや2EV刻みだとHDR化したときに細かいところで不具合が出るということがわかりました。なお、今回の検証では屋外のシーンを例にしましたが、ダイナミックレンジの低い屋内や夜間であれば5枚以下でも問題無いかもしれません。その時は3枚2EV刻みや5枚1EV刻みに設定する事になるでしょう。
SDカードの残容量が少なかったり作業時間の制約がある場合もありますが、1シーンの撮影が7枚でも800MB程度ですしHDR化の作業もソフトが数十秒でやってくれますので、少なくとも屋外では7枚以上を推奨します。